背中の痛みの改善
背中の痛みの概要と症状、セルフチェック、原因とメカニズム、放置するリスク、ビフォーアフターについてまとめています。
背中の痛みとは?概要と症状
背中の痛みを考える上で必要なのは、背中はどこからどこまでを指すかです。
日本では、一般的に肩こりと言えば、首の横の部分から肩先までを言うと思いますが、アメリカでは肩こりと言っても伝わりません。
日本での肩こりの部分は、アメリカでは背中に入り、この肩こりは日本で作られた造語なのです。
よって、背中の定義は、肩こりと言われる部分から(首の横の部分)、肩甲骨の下の部分とさせて下さい。
この背中で、一番大きく関わってくる筋肉が、僧帽筋と言われるのです。
僧帽筋は、上部線維・中部線維・下部線維の3つの分野に分かれており、それぞれで動きが、若干の違いがあります。
背中の範囲は大きいため、1つの筋肉でも動きを変えて、色々な役割を果たすように進化していったのです。
生物で二足歩行をするのは人間だけですが、この背中の筋肉と腹筋を進化させたことで、立っていられると言っても過言ではありません。
しかし、現代では、歩行の量も減っていたり、座っている姿勢が悪くなっていたりと、背中や腰に負担がかかる時間が多いです。
背中の痛みは、そう言った現代病と言っても、過言ではないのかも知れません。
更に、背中の痛みには、単純に筋肉の損傷だけではなく、体の前面には臓器を納めているので、重大疾患も視野に入れながら原因を見極めなければいけません。
背中の痛みのセルフチェック
● 肩甲骨の高さや背筋に左右差がある
● 肩甲骨の下が痛い
● 起床時に背中が痛い
背中の痛みの原因とメカニズム
背中の痛みの主な要因は次の3つです。
神経性の痛み
神経性の痛みの中でも、2種類に分けられており、背骨のズレが原因で、神経を圧迫してしまう肋間神経痛などの痛みと、神経に菌やウイルスなどに感染する痛みに分類できます。
特徴は、神経に痛みが出るので、『チリチリする痛み』や『服に触れるだけでも痛い』と言う表現になるのと、神経に沿って痛いと言う表現になります。
運動器疾患の痛み
運動器疾患は、整骨院に受診する方が多くなるのではないでしょうか?
転倒して背中を痛めてしまうことや、筋肉に疲労が溜まり、その筋肉の部分を痛めてしまうことを指します。
原因は、いくつか考えられますが、代表的なものを紹介して行きます。
筋肉に疲労が溜まり、そこの筋肉の柔軟性がなくなっている状態で、急にストレスが加ってしまい、痛めてしまうことです。
これは、背中の筋肉がつった状態に等しいです。
更に現在では、極度の精神的ストレスがかかると、背中が痛くなると言うこともわかってきました。
交感神経が、優位な状態は、呼吸数の減少があり、大きく呼吸を吸うことができなくなります。
そうなると、肺を動かす筋肉にストレスがかかります。
特殊なものだと、肋骨と肋骨の間にある肋間筋を痛めるケースもあり、肋間神経痛との鑑別診断が需要になります。
病的疾患の痛み
病的疾患は、胃潰瘍や膀胱炎などや骨粗鬆症からの椎体圧迫骨折などがあります。
特徴は、体を動かさなくても激痛であったり、まれに痛みをそこまで伴わないケースもありますが、体の内側で炎症があるので、普段より体温が高くなったりします。
骨粗鬆症からの椎体圧迫骨折は、筋肉の痛みを訴えるより背骨自体の痛みを訴えることや、強い激痛のため何をしなくても痛いと言う表現になります。
背中の痛みを放置するリスク
● 上部線維と中部線維の動きが悪化し、首が動かしづらくなる。
● 呼吸が浅くなり全身に酸素が巡らず、筋肉疲労や倦怠感を引き起こす。
● 神経に沿ってチリチリ痛む場合は、肋間神経痛や帯状疱疹の可能性がある。
背中の痛みのビフォーアフター
30代男性
在宅ワークによるデスクワークの増加で、背中に痛みが出た方のケースです。
在宅勤務になり今までよりデスクワークが増えてしまい、首の動きに連動して背中に違和感を感じることが増えていました。
2歳の子供が首に飛びついてきて首の違和感が更に強くなり、その翌日の朝に全く動かなくなってしまいました。
僧帽筋の上部線維だけでなく、中部線維の筋肉までも痛めてしまったのです。
首を少しでも動かすと背中に激痛が走り、歩行の振動でも痛いとのことでした。
整体を施した当日に改善しました。
40代男性
野球の試合中に投手をしていて投球数が普段より多くなってしまい、その日の夜から背中に痛みが走って呼吸をするのにも痛いくらいになってしまいました。
野球の前日に背中に違和感があったが、普段は時間が経つと自然とよくなっていたため放っておき、翌日の野球で更に負担をかけてしまいました。
右の肩甲骨と背骨の間を痛めてしまい、呼吸の際にもこの筋肉が動いてしまうため痛みが走ってしまうのです。
右の肩甲骨の動きが悪くなっており、肩甲骨を剥がすように施術し、背骨のズレを解消すると呼吸での痛みは改善しましたが、まだまだ痛みが強い状態なので鍼で患部の筋肉を直接緩めると、その日はなんとか眠れる状態にまですることができました。
5回の施術をさせてもらい、その週の日曜日にある野球試合で、活躍ですることができたと嬉しい報告を受けました。
10代女性
小学校5年生の女の子が、朝起きた際に寝違えて首を動かすと背中に痛みが走る状態で来院しました。
歩行時の振動でも背中に痛みを感じており、泣きながら親御さんと来院しました。
僧帽筋の上部繊維と中部線維を痛めているために、首の動きに連動して背中に痛みが走る状態でした。
先ずは上部線維を緩めるとそれに連動して中部繊維も緩みやすくなり、最小負担で施術ができるのですが、痛みが怖くて首を触るのに抵抗があったため、背中の中部線維から施術することにしました。
初回では背中の中部線維付近の背骨のズレを戻してあげて、首にコルセットを巻いて背中の筋肉に負担をかけないようにしました。
その後は驚異の回復力で、5回目の施術後はうがいができるようになりました。
50代女性
何もしていないのに、急に呼吸をすると背中に痛みが走る方を施術しました。
急な痛みにも関わらず、少し様子を見ようと2~3日我慢していましたが、洗濯物を干す際に両手を上げるのも痛くなってしまい受診する形になりました。
幼少期から喘息を発症しており、この頃によく首を寝違えていた既往歴を聞きました。
肋間筋が上手く働いていないのを予測しながら、体のチェックをさせてもらうと痛みの出方が肋間神経に沿って出ていました。
モルフォセラピー整体で神経に刺激を加えて、過剰に反応を起こしている神経を正常にする施術から行いました。
初診の際に肩を上げた際の痛みは少し改善しましたが、その痛みはまだまだ強い状態でした。
3回目の施術で洗濯ができるようになり、5回目の施術で呼吸の際の痛みも7割取ることができました。